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フレコンバッグ 2023.05.19
フレコンバッグの基礎知識

フレコンバッグの名称

フレコンバックとは、さまざまな別名があります。以下に挙げる呼び方はすべて同じものを指します。

  • フレコン、コンテナバック、トンバック、トン袋、トランスバック、フレキシブル・コンテナ・バック
  • 芋袋、米袋、肥料袋、ジャリ袋、ジャンボ袋、ジャンボ土嚢
  • エコパック、クロスコンテナ、Flecon

欧米では、Flexible Intermediate Bulk Container(FIBC)とも呼ばれ、以下のような別名があります。

  • Flexible-Container-Bag、Bulk Bag、Big Bag、Ton Bag、Jumbo Bag、Bulk Sack、Super Sack

中国語では、柔性集装袋や吨包と呼ばれています。

フレコンバッグの用途

フレコンバッグは、様々な目的に使用されます。主な用途は以下の通りです。

  1. 輸送と保管: フレコンバッグは、粉体や顆粒状の製品、液体、固体など、様々な種類の物質を輸送および保管するために使用されます。例えば、穀物、化学薬品、鉱石、建設資材、食品原料などが含まれます。
  2. ビルディングおよび建設: フレコンバッグは、建設現場での材料の取り扱いに広く使用されます。砂、砂利、セメント、コンクリート、石材などを保管し、輸送するために利用されます。
  3. 農業: 農業部門では、フレコンバッグが肥料、飼料、種子、穀物、農産物の貯蔵および輸送に使用されます。大容量の袋として、効率的で便利な方法として利用されます。
  4. 環境関連: フレコンバッグは、廃棄物やリサイクル物の収集および輸送にも使用されます。建設現場や工場などで発生する廃材や再利用可能な資源を集めるために利用されることがあります。
  5. その他の用途: フレコンバッグは、他にもさまざまな目的で使用されます。例えば、石炭や鉱石の充填、化学工業プロセスでの原料の貯蔵、船舶や鉄道での大容量の貨物の輸送などが挙げられます。

フレコンバッグは、その堅牢性、柔軟性、大容量の特性から、様々な産業分野で広く利用されています。

フレコンバッグの特徴

  • 軽量で便利:1枚あたり約2kgの軽さです。
  • 折りたたみ可能:車の後部座席などにもたくさん収納できます。
  • 頑丈で大容量:標準タイプでは1立方メートルの容量があり、最大耐荷重は約1トンです。

材質

フレコンバッグは、ポリプロピレン(PP)とポリエチレン(PE)の材料で作られています。

フレコンバッグの本体部分では、強度が必要な場所にはポリプロピレン(PP)が使用されます。一方、飛散を防止するカバーなど、柔軟性が求められる箇所にはポリエチレン(PE)が使用されます。

(一部のフレコンバッグは、飛散防止カバーにポリプロピレンを使用しています。)

また、これらの素材は塩素を含まないため、燃やしてもダイオキシンなどの有毒ガスは生成されません。

発送単位

フレコンバックは標準タイプで10枚1組になっています。

一部のタイプは5枚1組、内袋は40枚1組、50枚1組の商品もあります。

使用例

  • 各種リサイクル事業:廃棄物、中間加工物、商品、ゴミ固形燃料(RPF)、紙くず、収納袋
  • 廃棄物処理業:産業廃棄物(産廃)、汚泥、焼却灰、収集運搬先の廃棄物
  • 建設土木事業:土嚢(土のう)、ジャンボ土嚢、建設廃棄物(ガラ)、土、セメント、廃棄物
  • 農林水産業:米袋、芋袋、焼酎用サツマイモ、飼料、穀物、農作物、肥料、土、もみがら(籾入れ)、剪定くず、苗木
  • 浄水場・浄水プラント:汚泥、スラッジ
  • 卸売り・小売業:資材、商品、廃棄物、紙くず
  • サービス業:収納袋、紙くず入れ、廃棄物
  • 各種製造業:原材料、化学原料、中間生産物、製品、ペットボトル(ペレット)、集塵機フィルター、石灰、カーボン、酒粕・醤油粕

上記は、フレコンバッグのさまざまな使用例です。

形状

フレコンバッグの形状には、丸型と角型の2つの主要な種類があります。日本では主に丸型が主流であり、食品から産業廃棄物までさまざまな分野で使用されています。

生地

主流となっている方法では、フレコンバッグの本体生地にはポリプロピレン(PP)が使用されます。

原料を均等に混ぜて溶かし、それを押出成型機で1mm×1000mm程度の幅でノズルから押し出します。その後、高速延伸によって引き伸ばされます。この過程で縦に切断され、ボビンに巻き取られます。このように加工された糸は、フラットヤーンと呼ばれる平らなフィルム状の糸となります。

この糸がフレコンバッグの基礎となり、編み込むことで強度が付与されます。編み込み作業は高速円形編機を使用して行われ、布が筒状になるように編まれます。このため、幅110cmのフレコンバッグの胴部分には縫い目がありません。

きんちゃく部

蓋部分は絞り紐で布地をしばります。

布地はポリエチレン(PE)のフラットヤーンから円形編機であるサーキュラーを使用して作られます。そして、表面にはPEフィルムを熱密着させることでラミネート加工を施し、補強性と密封性を高めています。

なお、この布地の糸の色をブルーにしたものがブルーシートです。ラミネート加工には片面への貼り付けと両面への貼り付けの方法がありますが、フレコンバッグでは一般的に片面に貼り付けられ、ブルーシートでは両面に貼り付けられることが多いです。

きんちゃく紐

ふた部分のヒモの材質はポリプロピレン(PP)であり、糸はフラットヤーンから作られています。

底開口部

フレコンバッグには、上から物を入れる際に下から出す口が必要な場合があります。排出口は3つのオプション(なし、半開、全開)から選ぶことができます。排出口が必要な場合は、中に入れる物の重さ、粒の大きさ、粘性などを考慮して選択します。フレコンバッグの選び方によって、作業の手間や時間が異なります。また、安全性も変わるため、選択する際は慎重に検討してください。

吊りベルト

当社のフレコンバッグでは、構造上の問題がない場合、表示されている荷重は変わりません。ただし、ベルトの幅は10cmや7cmを使用しています。これは、袋との縫合部分を広く取り、本体をしっかりと支えるためです。実際、フレコンバッグに関連するトラブルの中で最も多いのは、ベルトの切れです。

リフトの振動や揺れに耐え、重心や腹部をしっかりと捉えるためには、頑丈な本体のサポートが必要です。そのためには、長いベルトの縫い合わせや底部の補強、太い吊りベルトが必要です。片側で吊るときや重い荷物に耐えられない場合、ベルトの縫い合わせ部分が破損する可能性があります。フレコンバッグの重量はすべてベルトにかかりますので、中身の重さに応じた適切な強度のものを選んでください。なお、強度は公式の試験施設でテスト済みです。

透明伝票袋

フレコンバッグの伝票袋は、管理表を保管するのに便利です。材質はPEですが、特に指定がない場合はPVCで作られます。

ラミネート

ラミネートは、フレコンバッグの生地にPPフィルムを貼り合わせる加工方法です。内ラミと外ラミの2つのタイプがありますが、一般的には外ラミが使用されます。外ラミは外気の遮断、結露の防止、防湿効果があり、微粉末の商品を収納する場合に適しています。

内袋[ないたい]

フレコンバッグの内袋は、ポリエチレン袋を使用します。これは食品の衛生や湿気防止、微粉末、汚れ物、水などを入れる場合に適しています。一般的にはPE(ポリエチレン)製の内袋が使用されますし、サイズはフレコンバッグ本体よりもやや大きめのものが使われます。内袋を使用することで、フレコンバッグ自体の汚れを防ぐことができますし、再使用も容易になります。

また、内袋は外側から被せることでフレコンバッグのカバーとしても利用できます。ただし、フレコンバッグは日光に弱いため、屋内での保管をおすすめします。

再生材・再生樹脂

フレコンバッグのリサイクル樹脂(再生樹脂)は、バージン樹脂と比較して性能が安定しません。一般的には、フレコンバッグには性能が安定した高品質なバージン樹脂(新品樹脂)が使用されますので、信頼性が高いです。

ただし、一部の新しい織布では、リサイクル樹脂とバージン樹脂をうまく組み合わせ、目的に応じた性能を実現しています。

バージン材とリサイクル材を見分ける一般的な方法は、バージン材は艶があり、触り心地が柔らかい特徴があります。一方、リサイクル材は白くくすんだ色が多く、触るとゴワゴワした感触があります。また、異臭がすることもあります。

しかし、これらの特徴はリサイクル樹脂の混合比率や品質によって異なる場合があります。

安価なフレコンバッグでは、よく再生樹脂が混合されたタイプが使用されています。特に、土嚢袋として使用される安価なフレコンバッグには頻繁に見られます。

また、バージン材を使用しているにもかかわらず、フレコンバッグの生地の柔らかさには違いが生じる場合があります。これは、フレコンバッグの生地(フラットヤーン)を作る際に、空冷方式と水冷方式の違いによるものです。

空冷方式は時間がかかりますが、ゆっくりと冷却するため、生地が柔らかくなります。一方、水冷方式は生産性が高いですが、急速な冷却により生地がごわつきやすくなります。

なお、多くの中国製フレコンバッグは水冷方式が採用されています。

なお、以前は外観だけで化学樹脂の種類を熟練者が見分けることができました。しかし、最近では化学樹脂の種類が増え、さまざまな添加物が開発されています。そのため、機械を使用しないと判別が難しくなってきています。

UV加工

UV加工について説明いたします。フレコンバッグは過酷な環境で使用されることが一般的です。直射日光の当たる現場では、必ず紫外線対策(UV)が必要です。

主な問題となるのはUV-AとUV-Bの紫外線です。この対策として、フレコンバッグの生地に紫外線劣化防止剤を混入し、劣化を防ぐようにしています。UV劣化防止剤は有害な紫外線を吸収し、無害な熱に変換して放出することで、劣化を防ぎます。ただし、安価な使い捨てのフレコンバッグにはUV劣化防止剤が含まれていないものもあります。

UV劣化防止剤の有無に関わらず、フレコンバッグの保管には直射日光の当たらない場所が適しています。

直射日光の影響を受けると、フレコンバッグは約1ヶ月ほどで強度の劣化が始まります。夏場ならば、3ヶ月で強度が半減するというデータもあります。

そのため、より強力なUV対策が施された耐候性黒フレコンバッグも開発されています。

フレコンスタンド

フレコンスタンドについて説明いたします。通常のフレコンバッグは自立性がないため、物を中に入れる際にはフレコンスタンドが便利です。

優れたデザインのフレコンスタンドを使用することで、1人での作業が可能になります。フレコンバッグの作業が1人で行えるかどうかは、労力の大きな違いとなります。

フレコンスタンドは非常に多目的に使用できます。例えば、農家の方にとっては芋の収納や堆肥の投入に便利です。建設現場では産業廃棄物の分別や大型土のうの作成に役立ちます。また、展示会やイベント会場においては、ゴミ用のスタンドとしても利用できます。

ダイオキシン

フレコンバッグは、材質としてオレフィン樹脂(PP、PE)が約98%、糸はポリエステル樹脂(PET)が約2%で構成されています。

フレコンバッグにはダイオキシンを発生しやすい塩化ビニールは含まれていません。

リサイクル

一般的なフレコンバッグ1枚は約2kgであり、約15000kカロリーのエネルギーが含まれています。これは、燃料として使用すると家庭用のお風呂を3回分の熱源として利用できるほどの熱量です。

そのため、一般廃棄物を原料とする品質の安定しないゴミ固形化燃料(RDF)と比較して、フレコンバッグは高品位なRPF(再生プラスチック燃料)用の燃料として使用することができます。RPFは石炭に匹敵する発熱量を持っています。

また、フレコンバッグは再生オレフィン樹脂としても再利用が可能です。

規格表示

耐荷重:耐えることのできる目安になる荷重です。

片方吊りは危険です。取り扱いによりトラブルになります。吊ベルトは指定の方法で使ってください。

容量:理論上の容積表示です。

耐候性:長持ち度です。なお、耐候性と強度とは違います。フレコンバックの耐候性は、主に紫外線劣化防止(UV)できまります。強度は、一般的にはフレコンバックの生地の厚みと関連します。

直径(φ):理論上の直径です。実際には胴部分が多少膨れます。

高さ(H):縫製の高さです。実際使用時じゃ胴部分の膨れがあるので、低くなります。また粉状のものは、移動中に内部の高さが低くなることもあります。

クロスシングル型フレコンバック/エコノミータイプ

弊社で提供しているフレコンバックは、クロスシングル型のフレコンバックです。正式名称は「クロスシングル型フレキシブルコンテナバック」となります。エコノミータイプで安全係数は3となっています。約20年の販売実績があり、お得意様には安定してご利用いただいております。

フレキシブルコンテナバックは、織布、樹脂フィルム、もしくは紙などの素材から作られた容器であり、産業用包装資材として使用されます。この容器は本体部分や胴部分、吊り上げるための吊りベルトや吊り部、そして充填や排出が可能な開口部を備えています。また、内容物や内袋との直接接触を考慮した設計となっており、荷物がないときには折りたたむことができます。

フレキシブル コンテナ バックJIS規格(日本工業規格)

名称説明安全
係数
クロス型
/織布型
クロスシングル型充填・排出を1回しか使わないことを条件にして、造られたフレキシブルコンテナバック。
修理して使うことはできません。
5
クロススタンダード型充填・排出を数回、または1年を限度として使うように造られたフレキシブルコンテナバッグ。
破損したものを使ったり、修理はしてはならないとされています。ただし、取外しできる内袋や開閉ヒモなどの荷重がかからない部品の交換は、修理とはされません。
「充填・排出を数回」など できるとしているため、安全係数は特に6になっています。
6
ランニング型ランニングJ型(1種・2種)繰り返し充填・排出が行えるように造られたフレキシブルコンテナバックです。
修理して使うことができます。
ただし、修理した場合、その素材の強度と同じ引っ張り強度を持たせなければなりません。
素材の組合せによって、耐候性や防水性がある場合、修理してもその性能を保つようにつくられたフレキシブルコンテナです。
5
ランニングI型繰り返し充填・排出が行えるように造られたフレキシブルコンテナバックです。
修理して使うことができます。ただし、修理した場合、その素材の強度と同じ引っ張り強度を持たなければなりません。
このタイプは、海外(EU等)で使うフレコンバックに適用する規格です。日本では使いません。仮に輸出する場合でもランニングJ型を使います。
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