牧草ロール・サイレージ とは?
牧草ロール
サイレージ
牧草は主にイネ科とマメ科に分けられ、多くの種類があります。たとえば、オーチャードグラス、チモシー、アルファルファ、クローバーなどです。これらの牧草を発酵させることで、「サイレージ」や「牧草ロール」が作られます。発酵過程では有機酸が増加し、栄養価が向上するとともに腐敗菌が抑えられ、長期保存が可能になります。
サイレージの製造方法には、タワー型サイロシステムと牧草フィルムを用いる方法があります。
タワー型サイロは、大量の牧草を保管するための施設ですが、その大きさや管理の難しさ、維持費用の高さから、最近では減少傾向にあります。
現在では、牧草フィルムを利用した方法が主流となっています。
サイレージを作る方法
牧草を刈り取る最適な時期は、穂が出始めた晴れた日です。
刈り取った牧草は、水分を蒸発させるために予備乾燥を行います。水分が多いままでラッピングをすると、品質が悪化したり、空気が混入して形が崩れたりするためです。
さらに、空気が入ると腐敗が進むため、ラッピング時には空気を遮断する必要があります。
運搬や保管の際には、穴が開かないように十分に注意が必要です。天候が悪い場合は、飼料を混ぜて水分を減らします。
こうして、水分を約60%に減少させた牧草をロールします。大型トラクターにロールベーラーを取り付けて形を整え、その後、牧草フィルムを使って迅速に巻きます。
発酵は、ラップをしてから最短で一ヶ月で完了します。
サイレージをつくる際のポイント
- ラップ前の水分調整は、40~60%が目安です。
- 空気が混入すると腐敗しやすくなるため、丁寧に運搬することが重要です。
- 保管場所は、コンクリートや砂利など排水がしやすい平坦な場所が理想です。また、鳥やネズミがストレッチフィルムを破らないように対策を講じましょう。
牧草ストレッチフィルム使用写真です。
有機酸とは
牧草を発酵させることで得られる「有機酸」は、牛の成長にとって重要な栄養源です。
特に「乳酸」は、有機酸の中で重要な成分です。
乳酸は飼料の栄養を保つだけでなく、牧草のpHを下げる効果もあります。pHが低下すると、不良発酵が防止されます。不良発酵菌は酸性環境に弱いためです。
理想的なpHは4.2以下です。
※pHは酸性とアルカリ性の度合いを示す指標です。
牧草ストレッチフィルムの作業風景
予備乾燥された牧草
牧草をロールした状態
牧草梱包機にロールをセット
弊社の牧草用ストレッチフィルムは破れにくいのが特徴
土や砂が混ざらないように注意します
巻いている工程
巻き終わったロール
牧草ラップはサイロよりも省力化に貢献
運搬している様子
寒さから牧草を保護
強い粘着性
ラップ後のたるみが出ないようにします
高い密封性
直射日光対策でUV入り
雨や風、ほこりから牧草を守ります
運搬中
強い伸縮性で作業中も切れにくい
トラックへ積み込み中
巻かれた牧草は長期保管
縦置き2段で密封性が向上