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2024.11.01
包装フィルムの種類と特性
包装フィルムの種類
表記 | 名称 | 製法の概要 | 性能 |
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AOP | PVAコートOPP | ||
AL | アルミニウム箔 | ||
CPP | 無延伸ポリプロピレン | ナフサを分解してできたプロピレン、これをさらに重合したポリプロピレンを延伸しないもの | |
CN | 無延伸ナイロン | ||
EVA | エチレン酢酸ビニル共重合体、アイオノマーPE,EAA,EMAA、その他のPE系シーラントフィルム | エチレンと酢酸ビニルを共重合 | 外見はLDPEと変わらない。LDPEのヒートシール耐衝撃性を改良。 |
EMAA | エチレン-メタクリル酸共重合体 | ||
HDPE | 高密度ポリエチレン | ナフサからエチレンを分離、高圧をかけ重合 | |
IO | アイオノマーフィルム | ||
KOP | ポリ塩化ビニリデンコートOPP | OPPの片面・両面にポリ塩化ビニリデンをコート | |
KON | Kコートナイロン | ||
KPET | Kコートポリエステル | ||
LDPE | 低密度ポリエチレン | ナフサからエチレンを分離、触媒が異なり低圧をかけ重合 | 防湿・耐水・耐酸・耐アルカリ・ヒートシール・耐衝撃・耐寒性 |
L-LDPE | リニア低密度ポリエチレン、メタロセンポリマーメタロセンポリエチレン | ポリエチレンより分子の枝分かれがない低密度ポリエチレン | |
MDPE | 中密度ポリエチレン | ナフサからエチレンを分離、触媒が違い中圧をかけて重合 | |
OPP | 二軸延伸ポリプロピレン | CPPのフイルムから、縦横の二軸に延伸、熱をかけ固定 | |
ONy | 延伸ナイロン | ||
PE | ポリエチレン | ||
PVC | ポリ塩化ビニル | ||
PVDC | ポリ塩化ビニリデ・サラン | ||
PT・MST・Kセロ | セロハン | ||
PP | ポリプロピレン | ||
PC | ポリカーボネート | ||
PAN | ポリアクリルロニトリ | ||
PS | ポリスチレン、スチロール | ||
PA | ポリアミド | ||
PET | ポリエステル | ||
VM | アルミ蒸着フィルム、透明蒸着フィルム | ||
ZX | ゼクロン | ||
紙 | クラフト紙、上質紙・純白、グラシン、レーヨン紙、化繊紙、奉書紙 | ||
共押出フィルム | コ・エクストルージョンフィルム | ||
不織布 | スパンボンド・ニードルパンチ・スパンレース・ケミカルボンド |
ストレッチフィルムの特性
特性 | 概要 |
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引張強伸度 | 一定の巾に切ったフィルムを、片方を固定し、もう片方を定速で引張り、フィルムが切断した時の荷重を引張強度。 また、切断した時点の伸びを%で表したのが引張伸度。引張強度が大きいほど強いフィルム、引張伸度が大きい程、伸びやすく柔軟なフィルムということにないます。 |
破裂強度 | フィルムの一定面積に圧力をかけ、フィルムが破裂したときの圧力をkg/平方cmで表わしたものです。 |
引裂強度 | フィルムに切り目を入れておき、切り目の両端を一定荷重で引き裂いて、その抵抗を数値で表します。この数値が小さい程、裂け口から破れるのに抵抗が小さいことになります。 |
耐衝撃性 | 衝撃強度を測定する方法は各種ありますが、機械に頼ら簡便な方法としては、落袋試験がよく利用されます。完全に密封できる袋を作り、一定量の水(小豆などの粒状物でもよい)を封入して、一定の高さから落下させ、破袋の有無を調べます。強度が大きくても脆い材質は耐衝撃性に劣ります。 |
耐ピンホール性 | フィルムは揉んだり、突起物に接触したり、局部摩擦を受けたりすると簡単に針先程度の小さな穴が発生します。 これがピンホールです。折り曲げや揉みによって生じるものを屈曲ピンホール、突起物によるものを突き刺しピンホール、摩擦によるものを摩擦ピンホールといい、どれが原因かによって対策も異なります。 フィルムの折り曲げ先端部がダンボールなどの側面に微振動で擦られると、殆どのプラスチックフィルムは簡単にピンホールが発生します。 液体包装、ガス充填包装、脱酸素剤包装では、この摩擦による事故が非常に多く、折り曲げによるピンホールや突刺強度の測定は機械もあり標準化されていますが、摩擦による耐ピンホール性は機械的に評価することは難しく、数字によるデータが少ないです。 |
弾性率 | 腰の強さの硬い包装の方が内容物の保護性があり、ボリューム感を増し、見栄えもよくなります。 |
すべり性 | 一般には表裏とも滑りやすいフィルムのほうが都合が良いです。 表裏の滑りが悪いと自動包装機にかかりにくく、作業性も悪い。 内面のすべり性も同じで、自動包装機適性が悪くなり、ピッチがあわなくなったり、シワが入ったり、内容物が充填できないということが起こる。すべり性の評価は摩擦係数で表します。 逆に、滑りすぎても都合の悪い場合があり、表面あるいは内面をわざと滑らないようにすることもあります。 |
耐ブロッキング性 | 巻き取りや、袋の重ね置きで、フィルム同士が密着し、滑りにくくなったり、剥がれなくなることをブロッキングといいます。 巻き取りの状態でブロッキングが生じると包装機にかかりにくくなります。また袋の状態では、袋同士が剥がれにくくなったり、開口性が悪くなります。 一定環境条件で荷重をかけてブロッキングするかどうかを判断します。 |
帯電防止性 | 殆どのプラスチックフィルムは強い帯電性を持っています。帯電すると微粉末の付着によるシール性、作業性の低下、陳列時のホコリ吸着による美観の低下等が生じます。 包装フィルムにとって静電気はないほうが好ましいです。 そこで帯電防止剤の練り込みやコーティングによって静防タイプのフィルムが製造されています。評価法は、表面固有抵抗を測定する方法、灰吸引法などが用いられます。 |
気体遮断性 | プラスチックフィルムは多少なりとも酸素ガス、炭酸ガス、窒素ガス等の無機ガスを透過させ、この透過量が少ない程ガスバリヤー性に優れています。 ガスの種類で透過速度が異なり、二酸化炭素は透過しやすく、酸素ガス、窒素ガスの順で透過しにくくなります。 |
透湿度 | プラスチックフィルムは水蒸気(湿気)を透過させ、包装食品の吸湿、乾燥の原因になります。 |
耐油性・耐薬品性 | 耐油食品を包装する場合にはフィルムの耐油性が必要となります。 殆どのフィルムは実用的な耐油性をもちますが、PEやCPPの単体は油脂成分を透過させます。 各種薬品、食品添加物、香料などに対する耐性もフィルムによって異なります。 例えば、ポリエステル(PET)はアルカリに弱く、ポリスチレン(PS)は有機溶剤に溶け、ポリ塩化ビニルなども特定の薬品に溶解します。 |
保香性 | プラスチックフィルムは、ガスや水蒸気を透過させるのと同じく、 食品の香気成分も多少なりとも透過させます。 香気成分の透過が大きいと、保存中の香りの逸散、外部からの臭気の吸着などの問題が生じます。 保香性は、ガスバリヤー性の数字とある程度比例しますが、完全に一致するものではありません。 フィルムの種類と香気成分によって透過速度が異なります。 ガスクロマトグラフィーによる測定や官能による評価が一般的です。 |
ヒートシール強度 | 一般の食品包装用袋は熱による接着のことです。 このヒートシール部の引き張り強度をヒートシール強度と言い、kg/15mm巾で表記することが多く、強度が大きいほど丈夫な袋です。 |
低温ヒートシール性 | シーラントフィルムは低温でシールできるほど包装スピードのアップ、ロスの低減が計れ、作業性が良くなります。また、袋の仕上がりも綺麗になります。 |
ホットタック性 | たてピローの重量物自動包装で、シール直後、シーラント樹脂が溶融状態でもシール強度があり、内容物充填時の圧力衝撃にもシール部が剥離しない性質をホットタック性があるといいます。 また、よこピローでもガス充填包装におけるフラッシュガスの圧力によるシール部の剥離防止のために、ホットタック性が要求されることもあります。 一般に溶融したときの樹脂の粘着度が高いものほどホットタック性が良いといいます。 |
夾雑物シール性 | 包装時にフィルムの内面(シール部)に内容物である液体、粘体物、粉末などが付着してもシール性が低下しにくく、安全に密着シールができる性質を夾雑物シール性に優れているといいます。 |
耐圧強度 | 主として液体包装の場合に必要な測定項目で、包装品に一定荷重をかけて液の洩れがないかどうかを判定します。 |
耐水性・吸水性 | 紙、セロハン、ビニロン、ナイロンは水に浸漬したり、高湿度に放置すると吸水、膨潤し、本来のバリヤー性、腰の強さなどを失います。 したがってビニロン系フィルムは両面に耐水性のフィルムを貼り合わせて使用することが多いです。(OPP/EVOH/PEなど。) |
耐寒性 | 冬期北海道の寒冷地では気温が-20℃以下にもなり、耐寒性のないフィルムで包装したものはしばしば破袋事故を起こします。 冷凍食品では-20℃以下、急速冷凍で-40℃あるいは-70℃にも耐えなければいけない事もあります。耐寒性がなければ脆化、破れ、ピンホールなどが生じます。 |
耐熱性 | 包装食品を加熱殺菌する場合、殺菌温度に耐えるだけの耐熱性を持ったフィルムを使用する必要があります。 カステラ、まんじゅうなどの表面殺菌のためには熱風や赤外線による乾熱殺菌が、多水分系の食品は真空あるいは脱気包装してボイル殺菌、蒸気殺菌、レトルト殺菌などの湿熱殺菌が行われます。 樹脂の融点や収縮率で評価できますが、変形、変色、内面密着などの有無も評価要因になります。 |
熱水熱風収縮率 | ボイル殺菌やレトルト殺菌で、フィルムの収縮率の影響で、袋が歪んだり、容器フタ材の張りが不十分であったり、内容積が変化することもあります。 収縮包装や収縮ラベルでは熱風収縮率が性能や外観の仕上がりを左右します。 |
耐候性 | プラスチック製品で、野外で使用するものに耐候性のない樹脂を採用すると、たちまち劣化して使用できなくなってしまいます。 一般の食品包装にはあまり関係のない性能ですが、PP樹脂は屋外で太陽光に暴露されると劣化しやすく、PEやPPより耐候性はあるが、やはり劣化します。PETやONは耐候性に優れています。ウェザメーターによる加速テストで評価できます。 |
透明性 | フィルムは透明性がよいほど内容物が良く見えて商品価値が向上します。 シーラントフィルムではPEやEVAに比べてCPPのほうが透明性、腰の強さに優れています。 PET、OPP、ONなども透明性は良いです。光の透過率またはHaze(雲価)で評価します。 |
遮光性 | 食品にとって光は大敵です。油脂成分の酸化、変色、ビタミンの破壊等を引き起こし、商品寿命を短縮させます。 蛍光灯や電球の光でも長時間になると影響が生じ、太陽光線エネルギーは電灯の比ではなく、直射日光下では短時間でもたちまち酸化します。特に紫外線は微量でも影響が大きいです。 |
開封性 | 殆どのプラスチックフィルムは端部を手で引き裂くことが出来ないので、切り目を付けて手で開封できるようにしてあります(ノッチ)。 それでも直線的に切れないことも多く、そこで手切れ性の良いものや直線カット性を改善したものもあります。 |
易開封性 | 容器包装を開封するとき、手で簡単に開封できると便利です。 最近の成型容器包装はイージーピールオープンになっているものが多いです。 カップに工夫してあることもありますが、一般にはイージーピール用樹脂をフタ材のシール面にラミネート、あるいはコーティングして用います。最近ではレトルトに使用できるものもあります。 |
プラスチックフィルムの性質
比重 | 融点 | 引張強度 | 伸率 | 弾性 | 衝撃強度 | 濁度 | 絶縁破壊電圧 | 水蒸気透過率 | 酸素透過率 | |
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単位 | – | ℃ | kgf/mm2 | (%) | kgf/mm2 | kgf・cm/mm | %(25μ) | kV/mm | g/㎡ ・24h ・0.1mm | cc/㎡ ・24h ・0.1mm |
高密度ポリエチレン | 0.95 | 135 | 7 | 400 | 20 | 160 | 10 | 20-200 | 5 | 2000 |
二軸延伸ポリプロピレン | 0.91 | 170 | 20 | 100 | 200 | 700 | 1.5 | 100-300 | 1.5 | 400 |
無延伸ポリプロピレン | 0.89 | 170 | 5 | 700 | 70 | 40 | 2.0 | – | 3.0 | 900 |
軟質ポリ塩化ビニル | 1.30 | 170 | 4 | 300 | 20 | – | 5 | 20-60 | 20-50 | 400-1000 |
二軸延伸ナイロン | 1.14 | 223 | 24 | 100 | 150 | 1000 | 1-3 | 50-60 | 26-30 | 5 |
二軸廷伸ポリエステル | 1.40 | 263 | 25 | 100 | 500 | 1000 | 2-4 | 100-300 | 5.5 | 19 |
セロハン | 1.50 | – | 15 | 15 | 300 | 380 | 1 | – | 500 | 1 |